【新・関西笑談】体感する「地球のいま」(1)(産経新聞)
□京都造形芸術大教授 竹村真一さん
■「宇宙時代の子供たちに期待する」 きっかけは手塚治虫さんの“遺言”。
地球の1千万分の1の大きさで、温暖化の進行状況などさまざまなデータを知ることができるデジタル地球儀「触れる地球」。インターネットにつなぐことで各地の自然事象をリアルタイムで体感でき、100年間の温暖化のシミュレーションなども学べる“生きた教材”だ。開発者の竹村真一・京都造形芸術大学教授は、子供たちに地球の美しさ、地球が抱える問題を改めて伝えたいと願っている。(聞き手 溝上健良)
--「触れる地球」を作ったきっかけは
竹村 手塚治虫さんが遺言のように残された「ガラスの地球を救え」という本があります。その中で「自分は宇宙時代の子供たちに期待する」という話をされているんですね。宇宙時代の子供たちであれば、地球上空を回る宇宙ステーションで育ち、毎日のように美しく輝き雲がたなびく地球を見るだろうと。雲が流れる空気の層は、地球の外から見ると、リンゴの薄皮のような薄い層として見えるはずなんですね。
そこには国境もない。そうすると国境を挟んで戦争をしている人間たちが愚かだなあと思うだろうと。
--「触れる地球」にはさまざまな機能がありますね
竹村 リアルタイムの雲の動きとか、地球温暖化の様子、大気汚染物質の越境移動のほか、渡り鳥が渡っていく様子も表示される。生きた地球を「見える化」する装置です。
--大きさを1千万分の1としたのは
竹村 地球は直径が1万2800キロ、ちょっと想像できないですけれど、それを1千万分の1でつくると1メートル28センチの直径になるんです。大人が両手でかろうじて抱えられるかなというくらいです。
子供にとっては大きな地球に見えるでしょうけれど、その1メートル余りの地球儀でみると、空気の層というのはわずか1ミリ。宇宙ステーションで育った子供たちは、その1ミリくらいの薄い空気を見て「地球っていうのは本当に傷つきやすい大気なんだなあ」と感じると思うんです。
--外から見た地球を実感できるわけですね
竹村 宇宙開発が進んでも、やっと日本人が何人か宇宙ステーションに行ったという程度で、なかなか子供たちが宇宙から地球を見るというのは無理ですよね。一方で、地球の問題はどんどん深刻になっている。ですから、別に宇宙に行かなくても、地球に居ながらにして宇宙からの視点で地球を感じられるような装置を作って、すべての小学校に配ろうと考えたわけです。
--壮大な目標ですね
竹村 もし地球政府というものがあったら、たぶんこういう地球儀を作って、全世界の小学校に贈るはずなんですね。まだ地球政府はないから、それもできていない。それなら地球政府がなくたって、これを作っておいてしまおう、というつもりで作ったのが「触れる地球」です。
--昨年、京都の小学校で「触れる地球」を使った授業をされました。子供たちの反応はどうでしたか
竹村 いやもう、子供たちは触り始めたら止まらないですよ。雲の動きとか津波の広がる様子など、ダイナミックな動く地球が見られるわけです。
普通の地球儀は軸があって、北極と南極が固定されていて東西方向にしか回りませんよね。その点、「触れる地球」には手の動きを感知するセンサーが付いていて、そのおかげで自分の手で好きな方向へ回せるんです。
◇
【プロフィル】竹村真一
たけむら・しんいち 昭和34年生まれ、東京大学大学院文化人類学博士課程修了。専門は文化人類学、情報環境論。平成14年に「触れる地球」を製作し、17年にグッドデザイン賞金賞を受賞した。プロジェクト「Earth Literacy Program」の代表として、「100万人のキャンドルナイト」などの社会実験プロジェクトを企画・推進している。著書に「地球の目線」(PHP新書)、「22世紀のグランドデザイン」(慶応大学出版会)など。父は評論家の竹村健一氏。
・ 鳩山元総務相、同調者確保に本格着手=自民離党を与謝野氏に報告
・ 民主党「支持」V字回復 参院選「単独過半数も」?(J-CASTニュース)
・ わいせつDVD1万枚所持で男を逮捕(産経新聞)
・ 会期延長、民主で慎重論広がる=国民新「郵政先送りなら離脱も」(時事通信)
・ 「振り出しに戻るよりは…」「信用できない」前原国交相再任に八ツ場ダム地元(産経新聞)
■「宇宙時代の子供たちに期待する」 きっかけは手塚治虫さんの“遺言”。
地球の1千万分の1の大きさで、温暖化の進行状況などさまざまなデータを知ることができるデジタル地球儀「触れる地球」。インターネットにつなぐことで各地の自然事象をリアルタイムで体感でき、100年間の温暖化のシミュレーションなども学べる“生きた教材”だ。開発者の竹村真一・京都造形芸術大学教授は、子供たちに地球の美しさ、地球が抱える問題を改めて伝えたいと願っている。(聞き手 溝上健良)
--「触れる地球」を作ったきっかけは
竹村 手塚治虫さんが遺言のように残された「ガラスの地球を救え」という本があります。その中で「自分は宇宙時代の子供たちに期待する」という話をされているんですね。宇宙時代の子供たちであれば、地球上空を回る宇宙ステーションで育ち、毎日のように美しく輝き雲がたなびく地球を見るだろうと。雲が流れる空気の層は、地球の外から見ると、リンゴの薄皮のような薄い層として見えるはずなんですね。
そこには国境もない。そうすると国境を挟んで戦争をしている人間たちが愚かだなあと思うだろうと。
--「触れる地球」にはさまざまな機能がありますね
竹村 リアルタイムの雲の動きとか、地球温暖化の様子、大気汚染物質の越境移動のほか、渡り鳥が渡っていく様子も表示される。生きた地球を「見える化」する装置です。
--大きさを1千万分の1としたのは
竹村 地球は直径が1万2800キロ、ちょっと想像できないですけれど、それを1千万分の1でつくると1メートル28センチの直径になるんです。大人が両手でかろうじて抱えられるかなというくらいです。
子供にとっては大きな地球に見えるでしょうけれど、その1メートル余りの地球儀でみると、空気の層というのはわずか1ミリ。宇宙ステーションで育った子供たちは、その1ミリくらいの薄い空気を見て「地球っていうのは本当に傷つきやすい大気なんだなあ」と感じると思うんです。
--外から見た地球を実感できるわけですね
竹村 宇宙開発が進んでも、やっと日本人が何人か宇宙ステーションに行ったという程度で、なかなか子供たちが宇宙から地球を見るというのは無理ですよね。一方で、地球の問題はどんどん深刻になっている。ですから、別に宇宙に行かなくても、地球に居ながらにして宇宙からの視点で地球を感じられるような装置を作って、すべての小学校に配ろうと考えたわけです。
--壮大な目標ですね
竹村 もし地球政府というものがあったら、たぶんこういう地球儀を作って、全世界の小学校に贈るはずなんですね。まだ地球政府はないから、それもできていない。それなら地球政府がなくたって、これを作っておいてしまおう、というつもりで作ったのが「触れる地球」です。
--昨年、京都の小学校で「触れる地球」を使った授業をされました。子供たちの反応はどうでしたか
竹村 いやもう、子供たちは触り始めたら止まらないですよ。雲の動きとか津波の広がる様子など、ダイナミックな動く地球が見られるわけです。
普通の地球儀は軸があって、北極と南極が固定されていて東西方向にしか回りませんよね。その点、「触れる地球」には手の動きを感知するセンサーが付いていて、そのおかげで自分の手で好きな方向へ回せるんです。
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【プロフィル】竹村真一
たけむら・しんいち 昭和34年生まれ、東京大学大学院文化人類学博士課程修了。専門は文化人類学、情報環境論。平成14年に「触れる地球」を製作し、17年にグッドデザイン賞金賞を受賞した。プロジェクト「Earth Literacy Program」の代表として、「100万人のキャンドルナイト」などの社会実験プロジェクトを企画・推進している。著書に「地球の目線」(PHP新書)、「22世紀のグランドデザイン」(慶応大学出版会)など。父は評論家の竹村健一氏。
・ 鳩山元総務相、同調者確保に本格着手=自民離党を与謝野氏に報告
・ 民主党「支持」V字回復 参院選「単独過半数も」?(J-CASTニュース)
・ わいせつDVD1万枚所持で男を逮捕(産経新聞)
・ 会期延長、民主で慎重論広がる=国民新「郵政先送りなら離脱も」(時事通信)
・ 「振り出しに戻るよりは…」「信用できない」前原国交相再任に八ツ場ダム地元(産経新聞)
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